2010年04月の記事一覧

指定根抵当権者の合意と未成年者の利益相反

根抵当権の相続人である親権者と未成年者が合意の当事者となって、いずれかを指定根抵当権者に定めようとする場合には、両者間に利益相反の関係が生ずるので、特別代理人を選任しなければならない。

引用元:例解根抵当P113 via 基本書不動産登記法III各論2

親権者が指定根抵当権者となった場合は、親権者と債務者の取引で生じた債権が担保され、未成年者が指定根抵当権者となった場合は、未成年者と債務者の取引で生じた債権が担保されます。

債権が担保されることもひとつの利益ですから、両者の利益は相反します。

2010年04月12日
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指定債務者とは

していさいむしゃ
根抵当権の債務者について相続が発生したときに、相続人のうちの一人、または全員を債務者とする取引(相続開始後)の債権を引き続き担保しようとするときは、設定者と根抵当権者の合意により、指定債務者を定めることができます。

個人事業者などが死亡して、その相続人が授業を引き継ぐ場合には、今後はその相続人と取引することになることも多いでしょう。

その場合に、従前の根抵当権で、相続人との取引で生じた債権が担保されたら便利です。

そのために、設定者と根抵当権者は、相続人のうちの一人、または二人以上を指定債務者と定めることができます。

債務者(相続人)は、設定者でないかぎり、この合意の当事者ではないので注意が必要です。

2010年04月11日
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指定根抵当権者とは

していねていとうけんしゃ
指定根抵当権者とは相続等開始後に根抵当権者となったもので、相続開始後の指定根抵当権者と債務者の取引の債権は根抵当権で担保されます。

Aが死亡して、その事業をBが引き継いだ場合、Aの取引先(根抵当権設定者兼債務者)であるDは、今後はBと取引を続けたいと考えることも多いでしょう。

その場合、Aの死亡後にBD間の取引を従前の根抵当権で担保できれば便利です。

そこで、AD間の取引を担保していた根抵当権に、Bを指定根抵当権者とする指定根抵当権者の合意をすることでBD間の取引(Aの相続開始後)で発生した債権を担保できるようになります。

Aの相続人がBだけでなくCもいた場合、事業を引き継いだのがBだけであれば、指定根抵当権者はBのみとするのが通常でしょう。ただし、指定根抵当権者は複数であっても構いません。

なお、指定根抵当権者の合意の登記が申請できるのは相続開始後6ヶ月以内です。

2010年04月10日
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遺贈の前提の換価と遺言執行者

遺言の内容が「遺言執行者は、遺言者所有名義の不動産を売却し、その代金を何某に遺贈する」である場合、売却による所有権移転の登記の前提として相続による所有権移転登記を要する。この場合、売却による所有権移転の登記は、登記権利者を買受人、登記義務者を相続人全員とし、買受人全員とし、買受人と遺言執行者から申請することができる。

引用元:登記研究476号 via 基本書不動産登記法II各論1

遺贈の前提として換価が必要であり、換価をするためには、売却して所有権移転登記をしなければなりません。
売却による所有権移転登記をするためには登記義務者として相続人全員が通常関わることとなりますが、この場合は、遺言の執行に必要な行為なので、遺言執行者が代理して申請することができます。

2010年04月09日
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指定債務者の合意後にする債務者追加の変更登記

根抵当権の債務者Aの相続による変更(相続人はB及びC)の登記及び指定債務者Bの合意による変更の登記がされている場合において、債務者Zを追加する変更の登記の申請をするときは、変更後の事項は、以下のとおりとなる。

変更後の事項
債務者(住所 A(年月日死亡)の相続人)
 住所 B
 住所 C
指定債務者 (年月日合意)
 住所 B
債務者
 住所 Z

引用元:登記研究550号 via 基本書不動産登記法II各論1

債務者が追加されたときには、従来の債務者と追加された債務者の両方を記載します。

もともとの債務者は、指定債務者だけではなく、従来の債務者(被相続人)の債務も担保されますから、従来の債務者から相続によって債務者の地位を承継して指定債務者の合意があったところまで表示する必要があります。

2010年04月08日
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双方代理とは

そうほうだいり

双方代理(そうほうだいり)とは、同一人が法律行為の当事者双方の代理人となることをいう(民法108条本文後段)。双方代理による法律行為は、無権代理行為となる。ただし、法律行為でない事実行為についても同条が広く類推適用される。

引用元:Wikipedia

当事者双方の代理人となった場合は、両者の利益が相反する以上、適切な代理行為は望めません。

そこで民法で双方代理は当事者があらかじめ許諾した場合を除いて、双方の代理人となることはできないと定めました。
なお、登記申請行為は法律行為ではないので、不動産の売主と買主が司法書士に登記を依頼することは問題ありません。

民法第108条(自己契約及び双方代理)

同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。

引用元:条文

2010年04月08日
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抵当権消滅後の抵当権設定者の相続と抹消登記

抵当権が消滅した後、抵当権設定者が死亡した場合、抵当権の抹消登記請求権を承継した共同相続人全員又はその中の一人が抵当権者とともに抵当権の抹消登記を申請することができる。

引用元:登記研究394号 via 基本書不動産登記法II各論1

被相続人が登記権利者であった場合は、共同相続人に不利益はないので、その中の一人が保存行為として登記をすることが可能です。

その場合、添付情報として相続があったことを証する情報が必要ですが、申請人である相続人が被相続人の相続人であることを証明すれば充分で、相続人全員の相続関係をすべて明確にする必要はありません。

たとえば、相続人の一人が相続放棄をしてたとしても、相続放棄申述受理証明書の添付は原則として不要です。

2010年04月07日
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遺言執行者と受遺者が同一人物の時の登記申請

受遺者が遺言執行者として指定されている場合、そのものは、登記権利者たる受遺者及び登記義務者である遺言執行者として登記を申請することができる。

引用元:登記研究307号 via 基本書不動産登記法II各論1

司法書士は権利者と義務者から依頼をうけて登記を申請していますが、双方代理の問題は生じません。

これは登記申請行為があらたな権利関係を生じさせるものではないからです。

同じように、遺言執行者と受遺者が同一人物であっても問題ありません。

2010年04月07日
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遺産分割方法の指定と遺言執行者

遺言の内容が「甲不動産を相続人Aに相続させる」である場合、相続を原因として所有権移転登記を申請することとなるが、この場合、たとえ遺言執行者が選任されていたとしても、当該登記を遺言執行者からすることはできない。

引用元:登記研究523号 via 基本書不動産登記法II各論1

特定の不動産を相続させる旨の遺言がある場合、その不動産は死亡と同時に相続人に承継されるので、遺言執行者が遺言を執行する余地はありません。

したがって、遺言執行者に相続登記をする代理権はないので、遺言執行者が登記をすることはできないこととなります。

2010年04月07日
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全財産を渡す旨の遺言と登記原因

「わたしのすべての財産は妻に渡す」旨の記載のある遺言書に由る所有権移転の登記原因は「遺贈」が相当ある。

引用元:登記研究512号 via 基本書不動産登記法II各論1

妻は必ず相続人となるので、渡すという表現を「相続させる」旨と読むか「遺贈させる」旨と読むかは微妙なところです。

法律的には「相続分の指定」や「遺産分割方法の指定」と解釈することは困難なので妥当な結論ではあると思います。

なお、相続人への遺贈の登録免許税は相続と同じく不動産の課税標準額の0.4%です。(遺贈は通常2%)

2010年04月02日
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