民法第1029条(遺留分の算定)
第1029条(遺留分の算定)
- 遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。
- 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。
実務家からのコメント
贈与した財産が、遺留分の算定の基礎にならないとしたら、遺贈する代わりに贈与をすれば自由に相続財産を処分出来ること人生ってしますので、贈与も相続財産算定の基礎としました。なお、この贈与はすべての贈与を意味するわけではなく、1030条で内容が定められています。
不確定の権利を鑑定して評価を定めるのは、相続財産の総額が確定しないと遺留分も確定せず、利害関係人の権利が不安定になるからです。
関連条文
2010年01月31日
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民法第1028条(遺留分の帰属及びその割合)
第1028条(遺留分の帰属及びその割合)
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一
実務家からのコメント
遺留分とは、相続財産のうちで法律上その取得が一定の相続人に留保されていて、自由な処分が出来ない利益です。
具定例として、相続人が直系素雲族である父母だけの場合は、恋人に全額遺贈したいと思って、そのような遺言を法律の方式に従って作成したとしても、相続財産のうちの三分の一は父母に留保されています。その部分に関しては、父母からの請求があれば、受遺者である恋人は遺留分を侵害した部分の相続財産(またはそれに相応する金銭)を返還しなくてはなりません。
兄弟姉妹には、遺留分がないので注意が必要です。
2010年01月30日
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民法第1027条(負担付遺贈に係る遺言の取消し)
第1027条(負担付遺贈に係る遺言の取消し)
実務家からのコメント
負担つき遺贈の負担は、遺贈をするための条件というわけではありませんが、遺言者の意志を考えれば、負担の履行をしないで遺贈の利益だけを受けることは許されるべきではありません。
そこで、相続人及び遺言執行者に遺言の取り消しを家庭裁判所に請求する権利を与えました。
2010年01月29日
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民法第1026条(遺言の撤回権の放棄の禁止)
第1026条(遺言の撤回権の放棄の禁止)
実務家からのコメント
遺言者の遺言撤回の自由、つまり新たな遺言作成の自由を保証するために、遺言を撤回する権利を放棄を不可能にしました。
具体例として、受遺者と遺言者との間で、遺贈を撤回しないという契約をしたとしても無効となります。
2010年01月28日
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民法第1025条(撤回された遺言の効力)
第1025条(撤回された遺言の効力)
実務家からのコメント
原則として、撤回を取り消しても、撤回を撤回しても、撤回された遺言の効力は回復しません。
詐欺強迫により遺言を撤回した場合に、その撤回行為を取り消した場合は、明らかに元の遺言を有効とする意志があるので、例外的に復活するとされています。
なお、第一の遺言を取り消した第二の遺言に対して、第三の遺言で「第二の遺言を取り消し、第一の遺言を有効とする」とした事例で、判例は例外的に第一の復活を認めたが、特殊なケースであるので、実務上は、遺言の流用はせず、新たに元の遺言と同趣旨の遺言書を作成すべきだとされています。
関連条文
第1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)
- 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
- 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
2010年01月28日
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民法第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
実務家からのコメント
故意に破棄という事実行為(法律行為ではない)でも、遺言者に撤回の意志を認める規定です。
遺言書を遺言者が誤って破棄した場合、第三者が破棄した場合は、遺言の効力に変動はない。しかしながら、遺言の方式に従っていたかなどが不明となり、結果的に遺言の有効性を証明出来ない場合は、結果的に遺言が失効することとなる。
なお、第三者に破棄されたても、立ちあった弁護士のところにコピーが保存してあった場合に、遺言の効力を認めた下級審判例がある。
遺言の目的物を第三者が破棄したときは、遺言者が取得すべき償金請求権を遺贈の目的物としたと推定する。
2010年01月28日
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民法第1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)
第1023条(前の遺言と後の遺言との抵触等)
- 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。
- 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。
実務家からのコメント
撤回の意思表示がされなくても、遺言がその後の遺言や生前処分に抵触するときは撤回されたものとみなされます。
前の遺言を失効させなければ実現出来ない遺言や生前処分がされたときに「抵触」したといいます。しかし、形式的には「抵触]していなくても実質的には以前の遺言を否定する内容の場合もあります。具体例としては、内縁関係の継続を条件に1000万円の遺贈する旨の遺言を残していた男性が、相手方の女性に1000万円を生前贈与し、相手の女性もそれ以上の金銭を要求しないと約束していた場合があります。形式的には遺贈と生前贈与を両方行うことは可能ですが、実質的には、遺贈を撤回して生前贈与をしたと解釈するのが自然です。このような場合は、撤回が擬制されるとしました。
2010年01月27日
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民法第1022条(遺言の撤回)
第1022条(遺言の撤回)
実務家からのコメント
遺言の撤回の原因は何でも良いですが、本人が撤回する必要があります。代理人による撤回はできません。
遺言の撤回も遺言と同様に法律で定められた方式でしかすることはできません。ただし、公正証書遺言を自筆証書遺言や死亡危急時遺言の方式で撤回することは可能です。
なお、死因贈与は遺贈の規定が準用されますが、本条も準用されるか、つまり死因贈与も事由に撤回できるかは学説上争いがあり、判例は準用を認めると判断していますが、、事例によって準用が否定されるものもあります。
関連判例
死因贈与については、遺言の取消に関する民法一〇二二条がその方式に関する部分を除いて準用されると解すべきである。けだし、死因贈与は贈与者の死亡によつて贈与の効力が生ずるものであるが、かかる贈与者の死後の財産に関する処分については、遺贈と同様、贈与者の最終意思を尊重し、これによつて決するのを相当とするからである
引用元:判例検索システム
最高裁判例 昭和57年04月30日
負担の履行期が贈与者の生前と定められた負担付死因贈与の受贈者が負担の全部又はこれに類する程度の履行をした場合には、右契約締結の動機、負担の価値と贈与財産の価値との相関関係、契約上の利害関係者間の身分関係その他の生活関係等に照らし右契約の全部又は一部を取り消すことがやむをえないと認められる特段の事情がない限り、民法一〇二二条、一〇二三条の各規定は準用されない。
引用元:判例検索システム
最高裁判例 昭和58年01月24日
土地の登記簿上の所有名義人である甲が、右土地を占有耕作する乙に対してその引渡を求めた訴訟の第一審で敗訴し、その第二審で成立した裁判上の和解において、乙から登記名義どおりの所有権の承認を受ける代わりに、乙及びその子孫に対して右土地を無償で耕作する権利を与え、しかも、右権利を失わせるような一切の処分をしないことを約定するとともに、甲が死亡したときは右土地を乙及びその相続人に贈与することを約したなど、判示の事実関係のもとでは、右死因贈与は、甲において自由には取り消すことができない。
引用元:判例検索システム
2010年01月27日
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民法第1021条(遺言の執行に関する費用の負担)
第1021条(遺言の執行に関する費用の負担)
実務家からのコメント
遺言の執行費用は相続財産の負担とします。
遺留分を減ずることは出来ないとは、遺留分減殺請求によって得た財産は執行費用に当てる必要はないという意味です。
2010年01月27日
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民法第1020条(委任の規定の準用)
第1020条(委任の規定の準用)
実務家からのコメント
遺言執行者の死亡や破産開始決定等によって、遺言執行者の任務は終了します。
しかし、終了と同時に一切の職務権限がなくなると不測の損害が可能性があります。そこで委任終了時の緊急処分義務と委任終了事由の通知までの任務継続義務が準用されています。
関連条文
第655条(委任の終了の対抗要件)
2010年01月26日
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