民法第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)
- 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
- 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。
実務家からのコメント
相続を放棄するか承認するかの判断は、「自己のために相続の開始があったときを知ったとき」から3か月とされていますが、相続人に落ち度なく調査できなかった借金などについては、その存在を知ったときが「自己のために相続の開始があったときを知ったとき」となります。
相続財産の所在等が複雑である場合は、相続人本人も含む「利害関係人」の請求で熟慮期間を伸長することができます。
なお、この熟慮期間を経過してしまった後でも相当の理由があれば相続放棄が認められることがありますので、あきらめずに専門家に相談してください。
2009年11月30日
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民法第914条(遺言による担保責任の定め)
第914条(遺言による担保責任の定め)
実務家からのコメント
担保責任を遺言により排除できるというさだめですが、担保責任の定めは相続人の公平のための制度ですので、目次の意思表示により担保責任の定めを排除したと解釈することは問題があるといわれています。
関連条文
第912条(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)
- 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、その分割の時における債務者の資力を担保する。
- 弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。
第913条(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)
2009年11月30日
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民法第913条(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)
第913条(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)
実務家からのコメント
担保責任は相続分に応じて負うことになりますが、相続人の一人が財産がない場合は、問題のある財産を受け取った相続人が求償権を行使しても、その無資力の相続人は支払いができません。
そこで、公平のために相続人全員で無資力の相続人の分を負担するように定めました。
求償者の過失がある時とは、無資力になる前に請求できたのに、請求しないでいた場合などです。
2009年11月30日
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民法第912条(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)
第912条(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)
- 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、その分割の時における債務者の資力を担保する。
- 弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。
実務家からのコメント
遺産分割行儀の結果、貸金債権を取得したが、その債務者が半分(たとえば額面1000万円のうち500万円)しかし払えなかった場合は、相続人全員(債権取得者も含む)が相続分に従ってその不足分(500万円)を負担することになります。
ただし、債権を取得した相続人が債務の履行を請求しなかったために、債務者の経済状況が悪化して支払いができなくなったとしても、担保するのは【分割の時における債務者の資力】ですから、債権を取得した相続人の自己責任となります。
2009年11月27日
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民法第911条(共同相続人間の担保責任)
第911条(共同相続人間の担保責任)
実務家からのコメント
遺産分割は相続人間で、権利が移転しているわけではないので、本来は担保責任は負いませんが、その考えを徹底させると、欠陥がある不動産などを遺産分割で取得した者が不利益をこうむることとなるので、この条文で特別に担保責任を認めることとしました。
担保責任が認められるのならばそれに基づき遺産分割を解除できるとも解釈できますが、最高裁判例は解除はできないと判断しました。
2009年11月27日
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民法第910条(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)
第910条(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)
実務家からのコメント
すでに遺産分割協議が成立したあとに、、死後の認知により相続人たる地位を取得した人は遺産分割のやり直しは請求できません。
ただし、第一順位の直系卑属(子供)がいない為、第二順位の直系尊属(被相続人の親)が相続した後に、子供が死後認知された場合はこの条文は適用されず、相続回復請求をすべきとされています。
2009年11月27日
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民法第909条(遺産の分割の効力)
第909条(遺産の分割の効力)
実務家からのコメント
遺産分割で権利を得たことを第三者に主張するためには登記が必要です。
相続人の一人がある不動産を法定相続分で相続登記をした後に、自己の持ち分を第三者に売り渡してしまった場合、その時点ですでに遺産分割がなされて別の相続人が単独でその不動産を相続することが確定していても、登記をしてない以上第三者に権利を主張することはできません。
2009年11月26日
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民法第908条(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)
第908条(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)
実務家からのコメント
本来は、文字通り分割の方法を指定することができることを定めた条文です。
つまり、現物分割、換価分割、代償分割のいずれかの方法で遺産分割することを定めることができると規定されているだけです。
この本来の意味の遺産分割の方法の指定があった場合には、当然さらに遺産分割をすることが必要です。
ただ、現在は、A不動産を妻に相続させるといった、遺産分割の実行の指定もできると解されていて、現実にもそのような遺産分割の実行の指定が行われることが多いです。
2009年11月26日
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民法第907条(遺産の分割の協議又は審判等)
第907条(遺産の分割の協議又は審判等)
- 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。
- 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。
- 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。
実務家からのコメント
相続人の中に未成年者がいる場合に、その法定代理人もまた相続人のときは、分割の協議が利益相反行為に該当し、特別代理人を選任する必要がある場合があります。
行方不明者がいる場合も不在者財産管理人を選任しないと分割協議はできません。
関連条文
第908条(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)
2009年11月25日
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民法第906条(遺産の分割の基準)
第906条(遺産の分割の基準)
実務家からのコメント
例えば、相続人の一人が事業を継いだ場合などに、その相続人に事業に関する財産を、ほかの相続人に事業と関連の薄い財産を分配するなど、諸般の事情を考慮して遺産分割をすべきと定めてあります。
しかし、審判などで遺産分割をする場合に、這般の事情を考慮して相続分を修正することは不可能で、あくまで法定相続分に従って分割がなされます。
2009年11月25日
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