平成21年3月24日最高裁判例 単独相続、遺留分と消極財産
弁護士さんのブログで見つけた判例を紹介します。
平成21年3月24日 最高裁第三小法廷判決
持分権移転登記手続請求事件
(原審 平成19年6月21日 福岡高裁判決)判決の要旨としては、相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされ、当該相続人が相続債務もすべて承継した場合、遺留分の侵害額の算定においては、遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することは許されない、というものです。
問題の所在
昭和34年6月19日の最高裁判決で遺言で相続分を定めても可分債務(借金など)は、当然に法定相続分で負担するとされました。
積極財産5億円、消極財産4憶円で、被相続人が二人(法定相続分が対等)の場合は、遺言でそのうちの一人にすべての財産を相続させる遺言があっても、もう一方の相続人は相続債権者に対して二億円の債務を負担します。
相続財産は積極財産と消極財産を差し引くと上記の例では一億円になります。相続分なしとされた相続人の遺留分は4分の1の2500万円です。
しかし、遺留分請求者は二億円の債務を負担しているのですから、遺留分の算定の際には二億円を加算して、2億2500万円が遺留分となるとも考えられます。
そこで、遺留分に法定相続分に応じた相続債務の額を加算するかが問題となりました。
結論と理由
相続人のうちの1人に対して財産全部を相続させる旨の遺言がされ,当該相続人が相続債務もすべて承継した場合,遺留分の侵害額の算定においては,遺留分権利者の法定相続分に応じた相続債務の額を遺留分の額に加算することは許されない
引用元:裁判所判例Watch
理由、というか前提となる判断は二つあります。
ひとつ、単独相続させる旨の遺言は特段の事情がない限り、債務も単独相続をさせたものと解するべきである。相続人間ではそのような遺言も有効である。
ひとつ、相続債権者に対しては、相続人は債務が単独相続されたことを主張することが出来ないが、相続債権者から単独相続を認めることは可能である。
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